海外留学をするにあたって、留学エージェントの利用は便利であるが必ずしも必要ではありません。
今回、私がニュージーランドへ留学エージェントを使わずに、語学留学を自力アレンジしたので、その経緯と流れをまとめてみました。
私が留学を経験したのは、社会人2年目のとき。
当時の仕事へのやりがいはあったものの、何か全く違うことがしたい、新しい経験がしたい!と思い唐突に仕事を辞めて海外に飛ぶことに。
思い切って留学を決めたものの、そんなにまとまった貯金があるわけではありませんでした。
それに、留学について情報収集をすればするほど、直面するのは費用面。
なるべく費用を抑えて留学したい。
その結果、留学エージェントを使わずに留学するという決断に至りました。
結果的に、大変ではあったけれども、大満足な留学になったので、ここでどんなアレンジをしたのかをまとめてみました。
まずは情報収集から
よし、海外留学をしたい!と決意してから、まずはいろんな情報収集をしました。
どこの国に行くのか?どのビザを使っていくのか?いろんな選択肢がある中で、自分にあった方法を選びました。
まずはどこの国に行くか。これは、インターネットで治安と物価を調べて、安全でなるべく物価の安い国を選びました。
そして、休日にいろんな経験が出来る国。
せっかく海外で生活をするのだから、どうせならいろんな経験がしたい!それには、まずは安全が大前提でした。それに、いろんな経験をするにはお金も大切。
なるべく物価が安くて、少額で楽しめる国を探しました。
目的地選びと同時に、ビザの種類も検討しなければなりません。
ビザには、いろんな種類がありますし、取得するのに審査が必要で、種類によっては支払いが生じることも。
私は、なるべく費用を抑えたかったので、面倒な手続きをしてでも費用の掛からないビザにしようと決めました。
物価、治安を考慮し、週末に出来るアクティビティーが豊富で、ビザ申請に費用が掛からないということから、ワーキングホリデービザでニュージーランドに行くことにしました。
ワーホリなら、例え費用が少なくても、学生ビザと違い就労への制約が少ないことも利点でした。
自力でビザを取得しよう
ニュージーランド
ニュージーランドのワーキングホリデービザの申請は、以下の手順でオンラインで行うことができます。
1. ニュージーランド移民局のオンラインアカウント作成
- ニュージーランド移民局の公式ウェブサイトにアクセスし、アカウントを作成します。
- 「Login」ページで「Create an account」を選択し、必要な情報を入力してください。
2. ワーキングホリデービザの申請
- アカウント作成後、ログインして「Working Holiday Visa」を選択します。
- 申請フォームに沿って、個人情報や滞在計画などの必要事項を入力してください。
3. 申請料の支払い
- 申請時に、国際観光保全・観光税(International Visitor Conservation and Tourism Levy、IVL)として35ニュージーランドドルの支払いが必要です。
- 支払いは有効なクレジットカード(VisaまたはMastercard)で行います。
4. 健康診断の確認
- 日本は結核低リスク国とされており、通常、健康診断や胸部レントゲン検査は不要です。
- ただし、過去5年間に3ヶ月以上、結核高リスク国に滞在していた場合は、指定医療機関での胸部レントゲン検査が必要となります。
5. ビザ申請の審査と結果通知
- 申請が受理されると、ニュージーランド移民局から確認のメールが届きます。
- 審査には通常約1ヶ月かかりますが、状況によっては最大で3ヶ月ほどかかる場合もあります。
- ビザが発給されると、電子メールで通知が届きます。
6. ビザの印刷と入国準備
- 発給されたビザはオンラインで確認できるため、印刷してパスポートとともに保管してください。
- 入国時には、以下の書類が必要となります:
- パスポート
- ビザの印刷コピー
- NZ$4,200以上の残高を示す英文の銀行残高証明書
- 帰国用の航空券、またはその購入資金を示す証明
これらの手順を踏むことで、ニュージーランドのワーキングホリデービザを取得できます。最新の情報や詳細については、ニュージーランド移民局の公式ウェブサイトをご確認ください。
オーストラリア
オーストラリアのワーキングホリデービザ(サブクラス417)を取得するための手順は以下のとおりです。
1. ImmiAccountの作成
オーストラリア移民局のオンライン申請システムであるImmiAccountを作成します。このアカウントを通じてビザの申請や進捗確認が可能です。
- 移民局の公式サイトにアクセスし、右下の「Create ImmiAccount」をクリックします。
- メールアドレスや個人情報を入力し、アカウントを作成します。
- 登録したメールアドレスに確認メールが届くので、記載されたリンクをクリックしてメールアドレスを認証します。
2. ビザ申請の開始
ImmiAccountにログインし、ビザ申請を開始します。
- 「New Application」をクリックし、リストから「Work & Holiday」を選択、その後「First Working Holiday Visa (417)」を選びます。
- 表示される利用規約を確認し、同意します。
3. 申請フォームの入力
画面の指示に従い、個人情報やパスポート情報、健康状態などの質問に回答します。すべての項目を正確に入力し、確認画面で内容を再確認します。
4. 必要書類のアップロード
申請フォームの入力後、以下の書類をアップロードします。
- パスポートのコピー:顔写真や個人情報が記載されたページのカラーコピー。
- 英文の銀行残高証明書:オーストラリア滞在中の生活費として、通常5,000オーストラリアドル以上の残高を証明するもの。
書類は鮮明なカラーコピーを用意し、各ファイルのサイズや形式は移民局の指定に従ってください。
5. 申請料金の支払い
申請完了後、クレジットカードを使用してビザ申請料金を支払います。2025年2月現在、申請料金は650オーストラリアドルです。為替レートは変動しますが、1オーストラリアドル=約90円とすると、日本円で約58,500円となります。
6. 申請後の手続き
申請が受理されると、移民局から申請受付の通知がメールで届きます。その後、ビザの審査が行われ、結果がメールで通知されます。審査期間は通常数日から数週間ですが、個別の状況によって異なる場合があります。
申請状況やビザの詳細は、ImmiAccountにログインして確認できます。
注意点:
- 申請時には、オーストラリア国外にいる必要があります。
- 申請内容や提出書類に不備があると、審査が遅れる可能性があります。
- 最新の情報や詳細は、オーストラリア移民局の公式サイトで確認してください。
以上が、オーストラリア移民局の公式サイトからワーキングホリデービザを申請する手順です。正確な情報と必要書類を準備し、スムーズな申請を心掛けてください。
トラブルへの対処も自力で
エージェントに頼らず、留学の準備をするのですから、もちろんトラブルへの対応も自分自身で行わなければなりません。
こちらは、万全で準備を進めていたつもりでも、思いもしないトラブルが起こるものです。
私の場合は、オンラインでのビザの申請までは、時間がかかりながらも比較的スムーズに進めることが出来ました。指定された医療機関に電話予約するまでは・・・。
オンライン申請が終わり病院に電話を入れました。
しかし予約が取れたのは今から一週間後。メールには確か、オンライン申請後15日以内に健康診断の書類を移民局に送るようにと指示がありました。
インターネット上の情報にもそう記載があります。
しかも、一週間後に健康診断を受けても、それから診断書を作成するのに4~5日かかるらしく、書類は郵送で提出しなければならないため、郵送にも数日は要します。
しまった・・・、病院の予約を取ってから、受診の直前にオンライン申請するべきでした。
ただし、何らかの理由で提出が遅れる場合は、指定されたメールアドレスに送れる旨を連絡するようにとの補足もありました。
遅れても、しっかりと前もって連絡しておけば、何とか大丈夫だということです。
とりあえず落ち着いて、その指定されたメールアドレスに、つたない英語で、健康診断の書類が数日遅れるかもしれないとの連絡を入れ、健康診断を受けに行きました。
何とか健康診断を受け、結果を最速で送りました。
しかし、数日後に移民局から「書類提出がなかったため申請が取り消しになった」とのメールが届きました。さっと血の気が引くのが分かりましたが、すぐに切り替えて対処方法探し。
そもそも、私は遅れることを事前に連絡していたので、書類が遅れていてもそこは対処出来ているはず。宛先を確認しても、きちんと移民局宛になっていました。
健康診断を受けるのに、1万円ほどかかっていたので、これを無駄には出来ません。
*2025年時点値段ではありません。
どうにも納得がいかず、居ても立っても居られなくなり、英語も話せないくせに移民局へ電話。
つながるまでに30分ほど要しましたが、通訳者を介してようやく話をすることができました。
すると、私の送ったメールは届いておらず、さらにはその送った先のメールアドレスは存在しないの一点張り。
いやいや、そのメールアドレスは移民局から来たメールに記載があったやつだよ!とこちらも負けずに応戦するも、「アドレスが変わったのかもね~バイバイ」とあっさり電話を切られてしまいました。
電話の後に、そのメールアドレスを何度も確認するも、移民局から来たメールに記載されていたアドレスと正確に一致。
どういうことだ・・・?ここで早くも留学先からの厳しい洗礼を受けてしまいました。
移民局の対応にブチ切れた私は、早急にもう一度診断書を作成してもらい、オンライン申請をやり直し、文句タラッタラの手紙と共に再度郵送しました。
すると、怒り狂った日本人に早急な対応の必要性を感じたのか、書類が着いたであろうその日にすんなりとビザが降りました。
健康診断を無駄にしたくない!との一心で対処。
ビザ申請が棄却されてから、一週間もせずに再申請が通りました。
2025年時点の健康診断の情報
オーストラリアおよびニュージーランドのワーキングホリデービザ申請に際して、健康診断が必要となる場合があります。
以下に、各国の健康診断費用の目安をまとめました。
オーストラリア
オーストラリアのワーキングホリデービザ申請時に必要な健康診断の費用は、受診する医療機関や検査内容によって異なります。一般的には、以下の検査が求められます。
- 501:一般的な健康診断
- 502:胸部X線検査
これらの検査を合わせた費用は、約20,000円から25,000円が相場とされています。
例えば、聖母病院(東京)では、15歳以上の方の検査費用が25,300円(税込)と案内されています。
ニュージーランド
ニュージーランドのワーキングホリデービザ申請時の健康診断費用も、医療機関や検査内容によって異なります。一般的な検査項目には、以下が含まれます。
- 身体測定
- 診察
- 尿検査
- 血液検査
- 胸部X線検査
聖母病院(東京)では、15歳以上の方の検査費用が30,250円(税込)と案内されています。
また、ニュージーランド国内で受診する場合、医療機関によって費用が異なりますが、例えばThe Hastings Health Centreでは、Full general medicalが$230、胸部X線が$120、血液検査が$150~$205とされています。
なお、ニュージーランドでは、2024年12月現在、日本国籍の方は通常、健康診断が免除されていますが、過去5年間に結核の低発生国リストに載っていない国に3ヶ月以上滞在していた場合など、特定の条件下では健康診断が必要となる場合があります。
健康診断の必要性や費用は、ビザの種類や申請者の状況、医療機関によって異なるため、最新の情報を各国の移民局公式サイトや指定医療機関にてご確認ください
このときにとても勉強になったのは、「何事も絶対に泣き寝入りしないこと」「自分の正しいと思うことは、しっかりと主張すること」です。
これは、後々インドや東南アジアへ行った際にも大変活躍した教訓です。
これで自信を付けた私は、語学学校のディベート大会で、自分の意見をしっかり主張できていると褒められたし、インドの強情な詐欺師にはしっかりと応戦出来る力が身につき、終いには、インド人にハードネゴシエイターだと言われるほどに。
留学先の学校は、現地で探すともっとお得!
いよいよ留学先の学校を決定!と、いろんな語学学校の紹介ページを閲覧しましたが、どれも同じように思えて、ここだ!と思える学校がありませんでした。
そこで、私は思い切って留学先の学校を決めずに行くことになりました。
ニュージーランドの情報を得るには、日本人が運営している「ニュージー大好き」という掲示板が最も有効かと思います。
ルームシェアの情報、日本人スタッフを募集している求人、現地に住む日本人同士の交流の場所等、様々なフレッシュな情報が飛び交っています。
私は、その掲示板で格安のフラットを見つけ、日本にいる間に契約。契約と言っても完全なる口約束でした。
本当にフラットが借りられたのか定かではないまま、そのフラットに向かうと、なんとその建物の中に語学学校が入っているではありませんか!自宅の下に、立派な語学学校があったのです。
しかも、日本で見ていた語学学校の学費とは大幅に安い価格設定。
現地に行って知ったことですが、現地で飛び込み入学の方が費用を安く抑えられる場合があるようです。
例えば、そこの語学学校の卒業生からの紹介だと10%割引になるとか。
幸運なことに、私のフラットメイトが下の学校の卒業生で、紹介ということでもともとかなりお得な学費からさらに割引してもらい、現地に着いた次の日には入学申請を終えていました。
こうして、現地で費用を抑えた語学留学が出来たのです。
自力での留学アレンジを経験して
正直、自力ですべてのアレンジをすることは、結構なリサーチが必要でした。
そして多少のトラブル。しかし、結果として残ったものは、すべていい思い出と経験値。
この留学のアレンジと、留学そのもので得た経験が、現在までの数え切れないほど役に立っている気がします。
また、すべて自分の力で切り開いた海外留学ということで、エージェントに任せきりの留学よりも、はるかに価値のあるものになると思います。
まとめ
・目的地選びを含めて、事前リサーチは必須!!
留学は、その選んだ国によって内容は大きく左右されると思います。ネイティブではなくてもいいから、低コストな東南アジアへ。
やっぱり本場の英語に触れたいからイギリスへ。
それぞれの国の特性と、自分の求めている留学像を照らし合わせて、自分に合った目的地選びを。治安・物価・文化の違いをしっかり下調べして決定しましょう。
・ビザ取得方法は、インターネットで最新の情報を!!
ビザの申請方法は、国によって、さらに種類によってさまざまです。しかも、その方法にはしばしば変更事項が生じます。
私自身、インドへの渡航前日にインドビザ事情が変わり、ちょっとしたトラブルに見舞われたことも・・・。刻々と変わる世界情勢と共に、ビザの形も変わっていきます。
最新の情報を、その国の大使館サイトなどでしっかりリサーチしましょう。
・トラブル対応は冷静に!!
手続き関係は小さなトラブルがつきもの。
ましてや相手は海外です。
向こうもわざわざトラブルを起こしたくて起こしているわけではありません。
まずは冷静になって、対処方法を考え、必要であれば第三者に助けを求めましょう。事が大きくなる前に、少しでも疑問点があれば早めに解消して、未然にトラブルを避けましょう。
・ガチガチに固めた留学プランより、少しの遊びを
留学先で多く見かけたのが、留学プランをガチガチに固めてきた人たち。
飛行機から降り立ってから帰国日まで、エージェントとのプランをしっかり組んでいて、身動きが取れない人たちが多くいました。
入国の次の日に学校入学、そして卒業後すぐに帰国。
帰国したら、日本で就職活動が待っています。住居も、しっかりエージェントが斡旋してくれたステイファミリーのところから動きません。
そういう守られた留学も安心でいいでしょうが、私としては、どうせ日本を飛び出してきたのだから、学校生活だけでなく、いろんな社会勉強をするべきだと思います。
文化の違う海外で、この国ではどうしたら部屋が借りられるのだろうか、海外からまた違う国に週末旅行したら、ビザってどうなるのかな、この国の、今住んでいる街以外のところはどんなところなのだろう・・・。
留学のプランに少し余裕を持たせることで、いろんな好奇心が沸いてきて、違った経験が出来るものです。留学プランは、少しフレキシブルに、がおすすめです。
これから、海外留学を考えているみなさん。世界に一つだけのオリジナルアレンジで、ぜひその留学をもっと価値のあるものにしてみませんか?
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